2015/05/14
自動車税の重課税分〔13年超車両への増税分〕の廃止・恒久化禁止
日本は、「古き良きものを大切にする」という文化を、いつから捨ててしまったのか?
日本や世界の先人が作り上げた歴史的生産物を、なぜ端に追いやるのか??
今年、13年超の自動車には「通常税率の15%UP」が課せられるそうです。
古いものを大切にすることは、そんなに追いやられることなのでしょうか?日本はイギリスからたくさんの「素晴らしい自動車文化」を継承しました。イ ギリスでは、今日も昔と変わらず「古いものを大切にする文化」が継承されています。車でいうと、パーツの製造を担っていた会社が生産を中止した場合、また どこかのメーカーが、同じ部品を製造していきます。
「古いものを大切にする」という文化が根付いているからです。
日本だってそうだと思っています、いや、思っていました。
古いもの(車)を大切にしている人たちを「特別扱いしろ!」とは言いません。
「自動車税を廃止しろ!」とも言いません。払わなければならないものはちゃんと払うのです。でも、古いからって15%も重課するとか、意味が分かりません。
この制度については、この重課税分に対して不満を持つ人たちが一丸となって、国に訴えていかなければなりません。
このままでは、世界の自動車文化を、日本の自動車文化を失うことになります。
本来ならば、自動車業界からこのような意見が発しられ、行政に訴えていければ良いのですが、雇用情勢等があるでしょうし、ここは「民間から」何か動かせれば!と思っております。
間違ってはいけないことは、「税金を払いたくない」ということではないという事です。「なぜ13年超の車が重課税されるのか?」ということに対して疑問・不満があるのです。ここに賛同していただける全ての方の「意志」を署名という形で国に訴えていければと思います。
結果がどうでるか?わかりませんが、多くの方の署名を頂き、「13年超の増税分廃止・恒久化禁止」まで頑張りたいと思います、
よろしくお願いします。
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まったく同感なのでシェアしました。
2015/04/23
フォトブック(写真集)作りました。
decomp laboratoryという名でモノを作り始めて9年
現店舗を開店してから7年目を迎えました。
まだまだ‥‥という思いはずっと続くと思いますが、ひとまずまとめという意味と
有償ではありますが感謝の気持ちを込めて過去撮影していました画像を編集してフォトブックを作りました。
腕も画質も拙いものですが何か伝わるものがあれば幸いに思います。
decamp laboratory PHOTO BOOK "one by one"
サイズ A5
全144ページのおなかいっぱい仕様です。
価格 税送料込 1175円
受注発注となります。
お支払い後発注、制作会社(しまうまプリント)より直送します。(発注後お届けまで10日程度)
期間限定無料オプション(2015年5月11日まで)
decamp laboratory PHOTO BOOK "one by one"をご注文いただいた方に、最終ページにご自身の写真を挿入いたします。
以前に撮らせていただいた画像がある場合はそれを使用、またはご希望の写真を送っていただきます。
ご希望の方がいらっしゃいましたらFBメッセージ、またはメールにて連絡下さい。
個人情報の取り扱いのためコメント欄からのオーダーはご遠慮下さい。
reate_1959@decomplab,com (アドレス先頭に c を付けて下さい)
デコンプラボに制作オーダーいただいたお客様、お世話になった方々、快くモデルになっていただいた方々、ありがとうございます。
本当はみなさんに差し上げたい感謝の気持ちでいっぱいです。
諸般の事情 (>_< ) で無料でおくばり出来ませんが制作原価での発行ということでお許し下さい。
2015/01/06
toyogeki works.その一
ん?カバン屋だよね?なんで?
いまだ良くわかりませんが、自店デコンプ ラボラトリーの店作りをほぼハンドメイドしたことや古いものいじってたりするのを見ていただいてたのかと思います。
少々長い‥‥いやめっちゃ長いご報告、解説となりますがご興味がございましたら見てやって下さい。
おわりのはじまり
物心ついた頃、当地には映画館が4館ありました。
時は流れて最後に残った豊岡劇場は但馬地方に住む多くの人に愛されて来た映画館で、ここにまつわるなにかしらの思い出が地元のみなさんにあると思います。
時代の変遷とか文化遺産とかの話は他でいっぱい語られているので割愛。
無くなってしまうものにはいろんな理由があります。
息子と観に行った豊劇最後の映画「三丁目の夕陽」はなにやら象徴的でもありました。
2012年3月何も出来ないかもしれないけど、何か出来る事があるかもしれない。何もしないと駐車場になっちゃう。
閉館されると話を聞きアクティブな朝来市の建築士松本智翔氏(朝来市竹田「竹田劇場」主宰)に引きずられて当時の館主山崎浩作さんに会いに行きました。
と、すでに動いてる方がいらっしゃる事、単発だけどイベントが計画されている事など静かに優しく語っていただきました。
しかし、その一週間後まさかの山崎氏の急逝。終わったと思いました。
年が変わって2013年11月現オーナーの石橋秀彦氏に誘われて豊劇に‥‥
石橋氏が本気で取得を考えられている事、運営の夢を語られてこのあと数回お話する機会がありましたが、まさか新生オープンまで関わって行く事になるとは‥‥
2013/11/23
じわじわはまって行く。
映画を根幹にクリエイターとアーティストの発信基地に。
カタカナ英語?ってなんか嫌いで薄っぺらい感じなんだけど言ってる事はわかる。
けど、そんな思惑どおりに人って集まる?
その頃の素直な感想。
が、これが空間作りの目的となります。
カフェバーであり、通路であり、イベントの場であり、クリエイションの生まれるところ。
利用者の年齢層の厚さ(子供からお年寄りまで)
営業時間の長さと利用目的の交錯(日中カフェ 映画 小ホールイベント ロビーを使ったワークショップ 夜間バー)
そして忘れてならないのは映画館であるということです。
頭が痛くなってくる設定ですが答えは必然の積み重ねで出来上がると思っていました。
やるべき事はカバンを作るのと同じ。持つ人のために‥‥
目指すのは集う人が居て生きる空間です。
勝手にパース。
この頃の関わりが記憶にないけどこんなん作ってました。
まず勝手にイメージして行く事から始まります。
中空に伸びるハシゴを上る光る男(アート的な象徴)
CINEMACTION(映画館としてありながら新しい何かを生み出す活動する場所としての意で考えました。)
鉄線のサイン
外装の着色、手をつけない部分
言葉だと伝わりにくい事を絵にすると次のイメージに繋がって行く。
実行可能かどうか必要か否かの検討材料。
8月に正式にオファーいただく事になるのですが、最終的にここまで関わる事になるとは石橋氏も僕も思ってなかったはず。
ここから実現に向けて思考錯誤して行く訳です。未体験ゾーンに突入。
前職を含め自分(現カバン屋)が関わり続ける環境の仕組み作りは経験していますが今回は第三者のシロート。
どこまで入り込めるか想像力が頼りです。
本来映画館のロビーで通路。ヨコに長~い空間。
改めて現場を見ると難易度の高さを感じました。
ロビーには巨大な柱が数本ありスペースを分断、まとまった広いスペースはあまりありません。
逆に面白いとも言えます。
ロビーの主題は階段と大ホールへの扉、高い天井
問題は素敵と言えない汚れた壁面とその質感‥‥
「なにもしない」選択肢もありましたが「新しく生まれ変わったんだ」とアピールする意味で壁面のリペイントは必然だったと思います。
今から思えば最初のハードルが壁面の色だったかもしれません。
パソコンでいろいろシミュレーションしましたがたいして役には立たず、候補色のサンプルペイントを協議検討してわずかに黄身のある白に決まりました。
以降プロジェクトチーム、石橋氏 未来子さん 伊木君と連携して進行して行きます。
ここで国内各地にゲストハウスをデザイン(デザインだけにとどまらず自ら手を動かし施工まで)されている
メジカラハウス東野唯史氏登場。バーカウンターの位置設定をアドバイスいただけて、その後の構築の起点になっていきます。
2014/09/16
壁の塗色、カウンターの位置が決まったことで大きく前進。
豊劇のロビーはそれ自体舞台として出来上がっているので何を残して何をどう配置するか、どう配光するか、だけです。
ある日、未来子さんに「石橋氏の夢は大きな本棚をはしごをかけて上って見ること」と聞いたので大壁面めいっぱい使った本棚を提案しました。
キャットウォークのような通路のある本棚。下は4席x2のボックス席になります。
結果は構造、安全性、コスト、法律の問題で残念ながら断念。
本棚は現状の位置に再設定しました。
本棚には資料、大きなテーブルを囲んで、あるグループがなにやら画策。ってイメージします。
大きな本棚がボツになり大壁面が贅沢に使えるようになったので、探したのは映画館につきものの手書き看板‥‥しかもデカイの。
ない。ありません。映写室にはかなり古いお宝が埋もれてましたが、看板類でやっほー!なブツは残されてませんでした。
割れててもやつれてても半分くらい残ってたらそいつを壁面にドーンと架けるだけで絵になるだろうって妄想は消えました。
変わりに思いついたのはあっさりポスターフレームを架ける。です。
中のポスターは意味のあるものでなくてはなりません。
選んだのは豊劇創業の年、1927年にドイツで公開された「METROPOLIS」です。
デザインマネージメントの未来子さんとの共通認識として新しい空間に、ある種工業的テイストを入れて行こうとしていたので、コレしかないってチョイスです。
もう一枚は石橋氏に選んでいただきました。北アイルランドに長く暮らされていた経歴から「The Commitments」です。登場人物の集合写真。手のサインはアブナいやつです。
(逆ピースサインで検索)オーナーの反骨の現れですね(笑)
どちらもすごく面白くて好きな映画です。特にメトロポリスは工業系好きにはおすすめしますw
劇場ドア横の大きな告知パネルは旧豊劇で掲示板に使われていたものをリペイントして縦に設置していただきました。
ここから順番は前後しますが物品の調達、制作について書いていきます。
イスはあるものを使おう
一度はボツになった映画館イスの再利用。
再利用と言っても貴重なイスを改造せねばなりません。
大きいテーブルでの使用を提案していましたがあえなくボツ。
バーカウンター前に4人がけボックス席2組を設定したので伊木君が再提案してくれました。
密かに2人でシミュレーション。必要なテーブルの高さ、大きさを検討しました。
この提案が採用された事で大きいテーブルとバーカウンター前の座席のイス、計14席分のイスがコストカット出来ました。
なおかつ豊劇ならではの演出が出来たのではないでしょうか?
劇場イスの使用についてはイレギュラーなので「お客さんを戸惑わすかも‥‥」「ま、えーんじゃね~www」なんてのが伊木君との会話。
そうそう、大きいテーブルの座席も旧豊劇の遺産です。
色が飛んで元がどんな色だったのか不明なほど。
シブい!というより打ち身色です‥‥
なのでリペイントする事にしました。
今は良い塗料があって素材感もそのままです。
赤、黒重ねて深い色を出そうと目論みますが‥‥ま、黒だけで良かったよねwww
(も少しコストダウン出来たな m(_ _)m)
作る喜び
そこから泥沼にはまりつつ嬉しかったのはテーブルを作らなくてはならなくなった事でした。
照明器具等かなり凝ったつもりですが所詮他人のプロダクト、ないものを作るのはホント楽しい!
クリエーター集めたかったら率先しなくちゃね。
豊劇で使われていたイスも劇場イスも高さがラウンジとリビングの間!
カウンターとボックス席との距離の制約。
大きいテーブルもサイズの制約。
既製品ではなかなか見つからないサイズです。というかナイ!
テーブルに関してはポン付けでサイズは妥協って考えられません。
しかも大きなテーブルはちゃちなものでもいいお値段します。
で、大テーブル、小テーブルをデザイン設計、施工させていただきました。
例えばリビングテーブルを考えるのはかなり楽です。高さがあるだけに構造に自由度があります。
脚を入れない低いラウンジテーブルも楽です。
この場合イスの高さが基準になるので、スペースを最大限に取るためにも(通常6人がけ、最大8人がけ)テーブルの脚は四隅でふんばってくれなくてはなりません。
さらに天板までの高さとイスの高さから天板四辺を板一枚の厚さで上げなければなりません。
苦しい楽しい設計‥‥
このデザイン設計については先生がいます。尊敬する先生のフォルムを少し真似出来たのは密かな喜びでした。
1984年には亡くなっていますが、先生の名前を当てられた方は豊劇で一杯おごりますよ~。先着3名(笑)
小さいテーブルも制約がつきまといます。
劇場イスのサイズ、構造から出入りと着座の動作に必要な空間が要ります。
それに、その場に似合ったデザインとして考えました。
いずれのテーブルも板材はラワン合板です。塗装は苦労するかな、と予想しましたがけんじんリフォーム中川さんに目の綺麗なものを調達していただいたので助かりました。
懐かしいようなレトロな感じが出る素材だと思います。
板の塗装は当初、柿渋と油仕上げにする予定でしたが、寸前で耐久性と汚れの懸念からステイン、ウレタンにしました。
ステインには柿渋が仕込んであるので経年良い灼け色が付くと期待しています。(ウレタンが阻むかも?)
レトロホールと勝手に呼んでいる2階上がり口周辺のホールにはデザインマネージャーの未来子さんから折りたたみテーブルをと要望が出ました。
既製品を探索‥‥
工業系の無骨な40kgもあるもの、ミリタリーもの、魅力的なテーブルを発見しましたが価格、大きさが合いません。
また口走ってしまいます。
作ろうかっ!(脳裏に頭を抱えてる自分がいました)
もうオリジナルを考える時間はありません。
自分でも所有している米軍のフォールディングテーブル(現物は希少になってきてめちゃ高価!)をパクらせていただきました。
ただしサイズがオリジナルとは違うので、結局再設計みたいになりました。構造は模倣なので楽!
全テーブルの塗装組み立てを伊木君未来子さんと三人ですることになり作業に没入して行きます。
カウンター周辺
バーのボトルが並ぶ棚のブラケットもありふれたステンレスプレス製ですがその先細りフォルムで提案。
ネイビーの壁色に映えるかなと‥‥ほとんど見えないねwww
これもほとんどわからないポイントですが伊木君ががんばりました。
スチール家具は塗装剥離して鉄生地にしたらいい雰囲気出ます。
過去何度かしていましたので「それ、やったらどうかいね?」と軽~く提案しました。
遠回りの好きな伊木君が乗ってきたので内心「大変かも‥‥」
実際、誤算は施工時期でした。自分がしたのはいずれも暑い時期。
今回は真冬‥‥気温5度!
いつもの手順で始めるも剥離材が一向に反応せず、伊木君が根性で一台仕上げました。
残り3台は伊木君がいつの日か手塩にかけて仕上げる事でしょう。
写ってない!(>_< )
石橋氏考案のコンクリートカウンター。
鉄板の胴巻きに木をはさんで暖かさを残してます。
ここは僕担当ではないのですが施工が出来たのを見て???
段差があります。その差5mm!
ここはツラ合わせだったよなぁ‥‥さわると違和感あるだろうなぁ‥‥
木ネジ留めなので5mm差を修正は直らんやろなぁ‥‥
と「職人異議申し立て係」の未来子さんが見事にクリア!職人仕事もナイスです。
ここのネジには難儀しました。
「鉄板どう留めますか?」って問いに「ほらマイナスネジでっしゃろ‥‥」と軽~くお返事。
石橋氏地元の古くからある工具屋さんへ探索‥‥
これがネット徘徊地獄の一つになりました。
ありませんやんマイナスネジ‥‥しかも仕様から頭径一緒で長さ違いなんて‥‥
もう六画でもトルクスでもプラスでもえーやんって思い始めた時に伊木君。
「マイナスネジしか考えられませんねっ」(爆)
結局なんとかなるって事で同じ長さのマイナスネジで完了。やれやれ。
そのこだわったマイナスネジですが、後の「段付き直し」の職人さんのご配慮で(!)一本だけ
プラスネジに変わっています。(予備はあったはずですがあえてプラスを残してあると思いますよ)
ネイビーをバックにクール、モダンに振れて来たカウンター周りですが後述の照明と合わせていいムード出てませんか?
鉄部、木部には柿渋、油
「その二」につづく
toyogeki works.そのニ
バーカウンター、客席、本棚の配置が決まると照明計画が出来ます。
照明計画ファーストプラン
照明器具を選ぶ基準の最優先は豊劇にあったもの。
当然老朽化、各部の劣化が考えられるので要修理が前提です。
次に豊劇になくて必要なものは中古。
建物の年代に違和感ないものを探します。
しかも、コレは見た事ないだろ〜ってのが選択基準。
アイアンランプ
最初に手に入れたのは本棚前の空間に使う大きめのシェード(古いサーチライト)です。
オークションで発見、購入していただいたのですが‥‥翌日のこと。
伊木君からのメール「こんなんありましたよ~」画像を見るとほぼ同じタイプの朽ちたサーチライト!
幸い(w)ひとつしかなかったものの、これでふたつそろって本棚前のメインランプが決まりました。
後に清掃、柿渋、油仕上げの上吊り下がる事になります。
ヤレたままでもいいかもしれませんが油を刷り込むことでアジが出ます。
光ってるメッキの袋ナット塗ったwww
スポットランプ
このスペースにはメイン照明だけでは本棚が暗いのでウォールウォッシャーを兼ねてスポットを計画します。
豊劇にはジャンクのスポット器具が何個かありましたが他で使う予定だったので別途探索。
USAKodakの暗室用ランプを選びました。
これも本来の目的意外で使われてるのを見た事がなかったので独断決定。安かったしね。(w)
シルバーに赤いリングが効いてます。電球はLEDビーム球。
画像にある電球は「影美人」予算があれば使ってたな。すごく良い!
ステー、スペーサーを手作り(>_< )
バーカウンターランプ
早い時期に「コレ使いたいなぁ」と勝手に入手して準備していたチューブランプ。
バーカウンターの照明に蛍光灯!
あまり見ません。てか普通使いませんよね。
当然すんなり合意ってわけに行かなかったのですが、伊木君の強力なフォローで実現しました。
元は工場用の蛍光灯器具で点灯時のスパークを保護するガラスチューブが特徴的です。
その機能から完璧に密閉されていたので分解が超難行しました。
元器具をバラし金属部の塗装をはがしています。
元の塗装も工業系の感じが好きですが、アルミの質感がムード出すのではないでしょうか。
吊り下げ用のチェーンも軽トラのスノーチェーンを分解、清掃、油拭きしました。
当人曰く「どんどん迷惑かけてくヤツが増えて行くなwww」
最終的にまだ照度が高いように思っているので少し減光させたいと思っています。
配線はジャンクのフレキでカバー。
シャンデリア
ロビー(BAR ajito)で一番目立つ照明、リールシャンデリア。
豊劇ジャンク探索初期から見た事ない大きなフィルムのリールが気になってて何かに使えんやろか‥‥と思ってました。
映画の35mmフィルムを巻くリールとデカイ映写機
劇場入口すぐのところが入場券のやりとりとか接客する場所になるので、このあたりの照明に悩んでました。
このカウンターは階段のアール(曲線)に合わせて同じくアールをとるとのことでシャンデリアにしたらばっちりに思いました。
最初の案ではソケットを隠すのに周囲にフィルムを巻こうとしたり、大小2段重ねもありましたがヤメた結果シンプルに出来たと思います。
使用している電球の形(水雷球)は元々ろうそくの炎を模したものなので、下向きはルール違反!?おそらく既製品ではないのでは。
フィルムからしたたる光のしずくってイメージ‥‥決め過ぎですかね。
当初仕様だけ決めて後は電気屋さんにおまかせ~って考えでしたが‥‥
設置する時になって予定してたワイヤーがない!え~っ!ってことになって、急遽ワイヤーを買って来ていただき組みました。
この時はもう瞬発力。電気屋さんの話を聞いて自分判断で仕様を考えます。
微調整の仕組みはナフコの店員さんのグッドアイデア!でも、もうひと手あったなぁ~。
絶対気がつかないポイントとしては(笑)ワイヤーの束押さえにリングがひとつかませてあります。
ポスター「METROPOLIS」にかけてあるんですよね。わからんよね(>_< )
吊り下がるまではワクワクどころか無事に思い通りになるのかドキドキで胃が痛くなりました。
全球LEDなので明るさの予想がつかず、実際少し明るいですがギリギリOKかな。
ワイヤー施工は私なのでなるべく近づかないようにしています(笑)
並んだグラスがキレイに輝いています。
メインランプ
ロビーを横断するランプも紆余曲折
どうしても使いたかったのは古い工業系のグラスシェード。
コレ
本物は高価な上、数をそろえるのは非現実的です。
あっさりあきらめてリプロを探します。
近いものが見つかりましたが気に入った大きさのものがありません。
最終、今のものに落ち着きましたがデザイン元は同じく古い工業系ランプです。
やっぱここはガラスシェードでしょう!
新品リプロながらモールディングが素敵です
スポットランプ2
またまた分かりにくいですが壁面ポスターフレームを照らすのは豊劇ジャンクのスポットライトです。
ただし中身はハロゲン用器具が収まっています。
ステーもヤレた鉄材をもらって手作り
楽をしようと電気屋さんに改造をお願いしました。
出来上がったモノが伝え方が悪くて思ってたのと違う!
‥‥やり直しを頼むのがコワくて自分で仕直しました。
だいたい楽しようとしたときは倍になって帰ってくるね‥‥
結果、下からほとんど見えませんwww
サインランプ
エントランス BAR ajito のサインを照らすのはアメリカより輸入した古いアルミ製スポットジャンクです。
恐ろしい事に後日似たようなランプが豊劇で発掘されてました。
しかも何気なく同じ箱に入れられてて「あったんかいー!!」
痛みがひどく使えなかったのは幸いでした。
ホールランプ
レトロホールに下がっているのは昔は普通にあったミルクガラスのシェード(当時もの)です。
大きいサイズのものがなくてさんざん探しましたが、元々こんなのが付けられてたのでは‥‥と思います。
同じものは2個手に入らなかったのですが大小あって遠近感が出ました。
テーブルランプ
カウンター前のボックス席のテーブルランプ
これはドイツから輸入しました。
1980年代の東ドイツで売られてたもので、よくあるガレージランプです。汎用品ですがシェードはガラス製で細くウエービングが入っているのが素敵です。
ハンドルはプラスティック製ですが刻印があって質感も重厚な感じがします。
ある時代までプラスティックでも良い素材感があるのに現代のはなんか薄っぺらいってのはなんででしょうかね。
誰も気がつかないポイント‥‥コンセントが‥‥
大空間の照明など全く経験がなかったので、最後の一灯が付くまで気が気ではありませんでした。
プレイベント後に全てのランプが付いてからは内心違和感がいっぱいで調整必須でした。
ここまでですでにLEDづくめでは想像より明るくなる事、たとえ電球色でも色温度がフィラメント電球より高くて白くなる事など上手く行かないのが分かってきてたので適所白熱球を入れて微調整していました。
それでもどうも納得いかず本オープンまでにいくつかの電球配置換えをして落ち着きました。
自分としては精一杯出来たと思ってます。
コストとデザイン性を考えながら、ここにはコレしかないって詰めて行くのは大変でしたが、結果好きなようにさせていただけたような気がします。(ランプ好きの)自己満足度高くてゴメンナサイ。(ウラ稼業で古いランプと掛け時計売ってたりします)
この広い空間と出来上がった構造には手を加える隙はなくて、雰囲気を作り出すのに照明器具の比率が高いと思ったのでした。
いろいろ好き放題の要望を形にしていただけた井垣電気さんに感謝しています。
こんなのも豊劇に転がってたのを再生しました。
僕「洗い場暗いね。なんか点けようか?」
伊木君「映写室で見つけたヤツ付けましょう」
僕「えーやん!」てな感じで進む。
横長ですがなんせ広い空間。出来上がって、ん?何処にあの手間ひまがあるん?
てな印象でしたが、この広々感、余白感は貴重かな‥‥
かっこ良さだけ求めた詰め詰めキメキメじゃない、後の人たちが作り上げるベースが出来たと思います。
ブックスタンドを針金で手作り。ブックエンドは既存ジャンク。
長々と文にして、さも自分で全部したように書いてますが、以前の設備(チケットモギリのブースとか物販のショーケースとか後付けの垂れ壁とか)が全て撤去された時にすでに空間として出来てたわけで、僕がデザインしました。なんて大きな顔する事は出来ません。
プロジェクトチームの誰かのひと言を課題に部分部分で自分なりの提案をさせていただきました。
正解だったかどうかもわかりませんが、些細な事にもこだわり、これが良いんだ、こうするべきなんだって思い込みを共同で可能な限り実現しました。
これからは石橋さんご夫妻と伊木君そしてそこに集う人々が痕跡を積み重ねて行くことでしょう。
2つのポスターが架かる大きな壁面の余白は無数のフォトフレームで埋まり、テーブルには無数の傷跡が付き、本棚は興味深い本で埋まり、白い壁や柱は何人もの手あかで汚れ‥‥いつの日か移設した映写室の扉と一体化する時を楽しみにしています。
新生豊岡劇場も広く末永く多くの人に愛される事を祈っています。
経験も実績もない自分にこの機会を与えていただいた石橋秀彦さん石橋未来子さん伊木翔くんに御礼いたします。ありがとうございました。
松本1級建築事務所 松本智翔氏 ニ輪車 岸田正雄氏 水嶋鉄工所 水嶋義弘氏 株式会社ハブタ工務店 圡生田ますみさんには多大なご協力とアドバイスをいただきました。ありがとうございました。
また気弱になる自分を見守っていただいたキヌガワクリーニング 衣川克典さん 楽縁 北垣雅司さん 三道や 岡田俊二さんありがとうございました。
勝手に苦闘4ヶ月‥‥これにてようやくカバン屋に戻れそうです。
長文で乱文なこのブログを最後まで見ていただきありがとうございました。m(_ _)m
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